公立保育園を廃園に…! 方針(案)示される


2021.7.29 東京新聞朝刊 多摩武蔵野版

7/28に開かれた小金井市市議会 厚生文教委員会で、公立保育園3園(くりのみ、わかたけ、さくら)を廃園にするという、新たな見直し方針(案)が示されました。
くりのみ、さくらについては、来年度の0歳児の募集は行わず、在園児が卒園する令和8年度末(2027年)をもって閉じる。わかたけの廃園時期については、今後検討するとしています。

↓7/28厚生文教委員会の質疑のYouTube動画  ※保育園に関しては1:42頃から

この日は時間切れになり、8/10(火)13時から、続きの質疑が行われることになりました。

7/31に開催された公立保育園運営協議会で、初めて保護者に対して説明をしました。コロナを理由に説明会は開かず、週明け8/2に保護者向けの説明のお知らせと意見募集の用紙を配布し、8/14に締め切り、9月上旬に結果を公表する、という大変急なスケジュールが示されました。

「廃園」という衝撃的な方針転換に、保護者である委員からは「運営協議会は何のためにあるのか」「スケジュールが拙速すぎる」「来年度0歳児を募集しないという方針は、特にきょうだいを通わせている家庭には影響が大きすぎる」「反発は必至」「はなはだ遺憾」などの発言が相次ぎました。

公立保育園に関して、2002年に行財政改革大綱に「委託」の方針が示されて以降、市側は8回も方針を変え、その度に保護者は翻弄されてきました。保護者の民営化への不安は主に、保育者が入れ替わること、事業者が変わること、それに伴う混乱です。保護者が安心して子どもを預けられなくなる、子どもが保育園に行きたがらなくなる、そういった不安要素を払拭することができないまま、20年もかけて民営化は進まず、正規職員は減らされ、園舎の老朽化が進んできました。

ここへきて「廃園」すると言い出した市は、民間委託による混乱を招くより、段階的に縮小する方が子どもへの影響が少ないから、と説明しています。本当にそうでしょうか? 段階的縮小が子どもへの影響が少ないと言えるのか、根拠は示されていません。進まない民営化で園舎を建て替える予算もなく行き詰まっていたところに、東久留米市で行われている公立園全廃を踏襲し、廃園を決めたというのが真相ではないでしょうか。

また、コロナにより行事は中止続きで、保護者会も開けず、保護者同士の連携もとりづらい中で、このような大きな方針転換を示すという、そのやり方にも憤りを感じます。公立園民営化に関して西岡市長は「保護者を含め、市民のご理解をいただくため、あらゆる可能性を排除せず、待機児童の解消、保育の室の維持・向上、多様な保育ニーズへの対応など、子育て環境の充実に向けた取り組みを進めてまいります」と答弁しています(2019.11.13 厚生文教委員会)。どこが丁寧なのでしょうか。

小金井市の子育て政策はどこに向かっていくのでしょうか。学校給食、学童保育は民営化が進んでいます。そのうち小中学校も民営化すると言い出すのではないかと危機感が募ります。子育て環境における公の役割について、市民とビジョンを共有しながら政策を進めるべきです。