新キャラ登場!新事業はリユース拡充になるのか

9/13建設環境委員会で、10月から試行実施する小金井市の新しいリユース事業「ゆずる輪(わ)」の説明がありました。食品ロス削減プロジェクト「小金井カメすけ」の説明もありましたが、ここではリユース事業についてのみ書きます。

新しく登場したキャラクターは鶴の「ゆづルン」。「まだ十分に使える物を探しては修繕し、必要な人へ届けることが使命。”あなたにゆずるわ!”が合言葉」です。

ゆづルンの説明によると、「野川クリーンセンターに搬入したごみから再生可能な家具類の補修等を行なったあと、令和36月に市と協定を締結した地域情報サイト『ジモティー』にリユース品を掲載し、市民の皆さんへ還元していく事業」で、ごみの発生抑制、環境負荷の低減、循環型社会の形成に貢献する、としています。

小金井市がアカウントを取得しジモティーに出品、希望者とチャットで受け渡し日時について調整後、野川クリーンセンターで引き渡しするという流れです。希望者はジモティーのユーザー登録が必要。日時調整の手段はチャットのみ。利用できるのは市内在住者のみだそうです。

「あなたにゆずるわ!」の合言葉は良いのですが、品目は「椅子、机、棚類、テーブル、タンス、衣装ケース、カラーボックス、ソファー、一部ベビー用品」と大型のものに限られており、品物は無料ですが配送等のサービスはありません。衣類や食器などは扱わず、品物の持ち込みも不可。家庭の不要品の利活用という観点では、不十分と言わざるを得ません

9月議会に「小金井市野川クリーンセンター稼働に際し、旧リサイクルセンター事業所以上のリユース実績を上げることを求める陳情書」が市民から出されました。旧リサイクル事業所が閉鎖して丸2年。令和2年第3回定例会でリサイクル事業所の再開を求める決議を可決したほか、事業の継続または再開を求める内容の陳情書が何本も採択されています。しかし市はできることは民間にお願いするとして「行政が介在する常設型のリユース施設は開設しない」と断言しています

2022年8月1日から稼働を始めた不燃物・粗大ごみ積み替え保管施設「野川クリーンセンター」

野川クリーンセンターの館内案内図(一部)

2022年8月、二枚橋の焼却施設跡地に資源物積み替え保管施設(野川クリーンセンター)が新設され、貫井北町の中間処理場は建て替えられ新しい清掃関連施設ができる予定です。どちらにも「工房」と「研修施設」が設置され、合わせて400㎡ほどの床面積がありますが、野川クリーンセンターの再生家具等の展示スペースはわずか28㎡、しかも仕切りのない廊下の一角です。主体的にリユースを推進し拡充していくという意思が感じられない配置です

リサイクル事業所が閉鎖してからの2年間、まだ使える家具類が「サーマルリサイクル(処理熱発電)」という美名のもとに焼却されてきました。増え続ける市のごみ排出量は新型コロナによる影響と部局は答弁しますが、それだけでしょうか。『循環型都市 ごみゼロタウン小金井~ごみを出さないライフスタイルへ~』 をスローガンに掲げ、今年1月には『気候非常事態宣言』も発出している小金井市です。できることはなんでもやるという心意気を見せて欲しいものです。新たに始まるリユース事業の試行実施の行方を注視しながら、今後も繰り返しリユース事業の拡大充実を訴えていきます。