都市計画道路に関する意見書を都へ手渡し、要請へ

10月16日、小金井市議3会派と都議4会派、市民団体「はけの自然と文化をまもる会」で都庁を訪問し、9月27日に小金井市議会で可決された「小金井3・4・11号線外と小金井3・4・1号線を優先整備路線としないことを求める意見書」を手渡しし、都市計画道路について要請を行いました。この意見書は、市民団体「はけの自然と文化をまもる会」から市議会に提出された陳情書が採択されたことから、小金井市議会として意見書を都に提出したものです。都議を通じて面談を求めこの場を設定し、意見書を手渡ししました。

小金井3 ・ 4・11号線外と小金井3・4・1号線を「優先整備路線」としないことを求める意見書

2 016年3月策定の「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、「小金井3・4・11号線外」及び「小金井3・4 ・1号線」(以下、「小金井2路線」という。)が「優先整備路線」に選定され、小金井市議会は、「小金井2路線」が、国分寺崖線、野川及び武蔵野公園を分断することから、選定の見直しを求め、事業化を前提としない意見交換、話合い、地元への十分な配慮などを趣旨とする12件の意見書を都に送付してきた。

小金井市は、2019年10月に「都市計画道路3・4・11号線については建設の是非も含め、市民の理解の進展が十分であるとは言えない状況であり、現時点では事業化に賛同いたしかねます」との要望を都知事宛てに行った。「小金井2路線」について、現在でも市民の理解は進んでいるとは言えない状況である。

小金井市は、2 0 2 2年策定の「第5次小金井市基本構想・前期基本計画」において、国分寺崖線(はけ)に代表されるみどりと水に恵まれた豊かな自然は、地理的、歴史的に形成されたものとしており、市議会は、「第5次基本構想に基づき、国分寺崖線の緑と自然の保全を求める決議」を可決した。そして同年策定の「都市計画マスタープラン」では「社会経済情勢及び地域のまちづくりの変化などを踏まえ、東京都及び関係市と連携して、都市計画道路の検証を行い、必要に応じて、見直すべきものは見直していきます」とした。

「小金井2路線」をめぐっては、この10年間、重要な変化があった。まず、優先整備路線の「主な選定理由」の根拠であった交通量増加傾向の将来予測について、交通センサスでも減少傾向が明らかになり、選定の緊急性が失われている。

次に、都は2 0 2 3年に「東京都生物多様性地域戦略」を策定し、2 0 3 0年までに生物多様性の損失を止め回復軌道に乗せるとし、崖線については「東京の緑の骨格」として保全の重要性が強調された。そもそも「小金井2路線」予定地とその周辺は、

自然再生推進法により東京都で唯一、自然再生協議会が活動する地域である。約2 0年間の都と市及び市民の協働の取組であり、都市部における生物多様性回復の推進地域となっている。

さらに、気候危機が深刻化したことで都市の緑化の重要性も更に増し、身近な里山的自然の大切さが市民に強く意識され、まちづくりにおける重要性も高まっている。

よって、小金井市議会は、東京都に対し、「小金井2路線」について以下の事項を求めるものである。

1 「東京における都市計画道路の整備方針(仮称)」において、「小金井3・4・11号線外」及び「小金井3・4・1号線」を「優先整備路線」としないこと。

2 東京都と小金井市において、交通量の推移、生活道路の危険解消などの「道路の必要性」と、動植物、生物多様性、湧水及び地下水などへの影響についての調査、分析、評価などの再検証及び建設の是非を含めた丁寧な協議を行うこと。

3 市議会の意見書が示す「道路の必要性」と「環境負荷」の両面について、市民に誠実かつ丁寧な説明を行うこと。

以上、地方自治法第9 9条の規定により意見書を提出する。

令和7年 月 日

東京都知事様

小金井市議会議長 斎藤康夫

意見書に賛同した市議は12名。この日参加した市議は、安田(生活者ネットワーク)、坂井えつ子(緑・つながる小金井)、村上ようすけ(れいわ新選組小金井)。都議は、小金井選出の漢人あきこ(グリーンな東京)、岩永やす代(立憲ミネ無)、里吉ゆみ(日本共産党)、上田令子(自由を守る会)、さんのへあや(自由を守る会) 。はけの自然と文化をまもる会代表・横須賀雪枝 ※以上敬称略
部局側は、都市整備局と建設局それぞれから6名の参加でした。

都市計画道路優先整備路線第4次事業化計画は、今年度(2025)が最終年度となり、来年度は新たな事業化計画が策定されます。

個別路線の選定はこれから行われ、次期事業化計画(第5次)案が示された後、年末頃にパブリックコメントが実施される見込みです。
前回、2015年12月に公表された第4次事業化計画のパブリックコメントで小金井2路線について2千件もの反対意見があったにも関わらず、優先整備路線に選ばれたという経緯があります。市議会の意思や市民の声を尊重するよう求めていきます。